ド定番【ニューバランス576】UK、USA、574との違い&人気色やコーデなど総まとめ

皆さんはニューバランスの「576」はご存知ですか?
30年以上前に開発されたモデルでありながら、スニーカーマニアのみならずファッション好きの間でも愛用される、ニューバランスを代表する超ロングセラーモデルです。
人気の理由は、悪路でのランニングを想定した機能性とクラシックなデザインでしょう。
今回は、洋服年間1000万円以上購入&自社ブランドを複数展開する僕が、ニューバランス576を分かりやすくレビューします。
ちなみにニューバランスは「576」をはじめとする定番モデルはすべて(合計20足以上)揃えていますので、他のモデルとの比較も交えながら解説します。
ニューバランス576の全てをこの1記事にまとめました。
これから購入を検討している方はもちろん、ニューバランスのモデルについて知りたいという方もぜひ参考にしてみてください。
ネットで買いたいけどサイズが不安な方や、コーディネートにお悩みの方にもおすすめの記事になっています。
それでは、そもそもニューバランスとは何なのか?から見ていきましょう。
目次
ニューバランスとは?
意外と分からないことだらけのニューバランス。まずはザックリ概要を押さえましょう。
ファッションというものは、歴史やルーツを知ることでより身近に楽しむことができます。知識があるだけで自信が沸きますし、それが自然とオシャレな着こなしに繋がるもの。
なので歴史やルーツにあまり興味がない方も、ぜひ目を通していただければ幸いです。
概要

ニューバランスはアメリカのシューズブランドで、1906年に扁平足などを治すインソール(靴の中敷き)や矯正靴の製造から始まりました。
「履いた人に新しい(New)バランス(Balance)感覚をもたらす」が社名の由来です。
足の矯正に必要な解剖学的知識を元にカスタムメイドのランニングシューズを作り始め、業界で初めて足の甲の幅からサイズを選べるようにしたのもこのブランドです。
現在に至るまで最新の技術を取り入れながら、履き心地にこだわったシューズを作り続けています。
また、スニーカーだけにとどまらず、スポーツやレジャーに関するものを幅広く作っていて、近年ではコロナ禍による需要の高まりを受けマスクの製造なども行なっています。
歴史

ニューバランスは1906年、アメリカのマサチューセッツ州ボストンにて創業しました。
「この世で最も足を知っているシューズメーカー」とも呼ばれるニューバランスですが、それは矯正靴メーカーとしての歴史がルーツになっています。
労働者の足の痛みを解消する独自のインソール開発や、世界初のワイズ(ウィズ)サイジングシステムの考案、地元ランナーのためのランニングシューズの開発などなど、ニューバランスが残してきた功績は計り知れません。
こうしたニューバランスの一足に掛けるモノ作りへの情熱は現代も受け継がれており、近年では3D技術を用いた最新テクノロジーの研究も進んでいます。
ニューバランスの凄さが分かったところで、次は本題の「576」について見ていきましょう。
ニューバランス576の特徴

1988年に誕生したニューバランス576は、「500番台=オフロード」を広めた歴史的名作です。
オフロードとは砂利道などの悪路のことで、そこを安定して歩けるような技術が盛り込まれています。
具体的には、かかと部分に安定性をもたらすEN-CAP(エンキャップ)を搭載、ソール部分は悪路でも地面をしっかり掴んで歩ける凸凹ソールになっています。
当時としては非常に画期的な機能であったため、発売直後から話題を呼んだニューバランスを代表する人気作なのです。
その後、アッパーにスムースレザーを採用するなどアップデートが行われ、1990年頃からファッションシーンでもファンが急増。
発売開始から30年以上が経った現代においても、多くのスニーカファンやオシャレ男子を虜にしており、今やニューバランスの顔とも言える定番モデルとなりました。
ニューバランスの576はド定番!しっかり覚えましょう。
ニューバランス576のデザイン

まずはデザインから見てみましょう。実際に僕の私物でレビューします。
「576」はオフロードランに適したモデルということで、ソールはもちろんアッパーにもクッションが入っていて、その分、靴全体にボリュームがあるシルエットになっています。
特に爪先周りにボリュームがあるのが特徴で、他のモデルと比べてもくびれの少ないぽってりとしたフォルムになっています。ちなみにシューズのシルエットはこのくびれ部分で決まると言っても過言ではありません。

ボリュームがあるほどカジュアルで野暮ったくなりがちですが、このモデルはその他のデザインで幅広いアイテムと合わせやすい、やや大人っぽいバランスになっているのが特徴です。
例えば足を覆うアッパーの素材にはスエードレザーが使用されています。スエードレザーとは皮革の裏側を起毛させたもので、略してスエードと呼ばれますね。
スムースレザー(表革)のような滑らかなツヤはありませんが短い毛羽のある素材感と微光沢が特徴です。
ラフな雰囲気にはなりますが、レザーの高級感は失われておらず、素材に子供っぽい雰囲気はありません。
また、ニューバランスの多くのモデルはアッパーの一部にメッシュを使用していますが、この576は全てレザーで履き口付近とNマークが白のスムースレザーで切り替えられているくらいなので、かなりシンプルな見た目になっています。

ソールはオフロード用の凹凸が深い、ゴツゴツとしたものになっていて、細かい部分ですが少しだけカジュアルな印象があるでしょう。
ちなみにオンロード用の「900番台」などではほとんど凹凸がない平らなソールになっています。
また下記の写真のように、かかとの部分にも「new balance」の文字が刺繍されています。

モデルによっては「NB」のスポーティーなロゴになっていて、意外と印象が変わってくるので、気になる人はチェックしてみてください。

ニューバランスのシンボルとも言えるNマークは、ここのデザインだけ見ても大小様々、モデルによっては素材や色の切り替えが入っているものもあるのが面白いところです。

出典:FASHION PRESS

出典:ニューバランス公式ホームページ
履いている時にもよく見えるサイド部分なので、この部分で履いた時の印象が大きく変わる大事な部分です。
この576では大きめのNが白のスムースレザーで模られており、同色のステッチで留められているシンプルなデザインなので、全体の印象もベーシックにまとまっています。
カラーバリエーションは黒、グレー、ネイビーなど落ち着いたものが多く、オフロードで走るための機能性と街中でも履けるデザイン性が高いレベルで両立されているモデルと言えるでしょう。
とはいえやはりカジュアル寄りのデザインなのでシャツやスラックスなどと合わせて、きれいめなコーディネートの外しとして使うのがオススメです。
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これは余談ですが、世の中のランニングシューズの多くが「ソールが白色」なのをご存知でしょうか?
今回ご紹介している576も、カラーはネイビーですが、ソール部分は白色です。
実はこれには「汚れが目立ち、早く買い替えさせるため」という、スニーカー業界の狙いがあると言われています。
もちろん企業サイドは否定するので真偽は不明ですが、少なくとも白色は汚れが目立ちやすいというのは事実です。
とはいえ白色はどんなコーディネートにも合わせやすいベースカラーです。なのでソールが白色のスニーカーを購入したときは、白=汚れやすいということを念頭にしっかりケアをしましょう。
ケアは簡単で、ウェットティッシュなどでこまめに拭くだけ。これだけで白さをだいぶキープできます。汚れがひどい場合は、専用の消しゴムで表面を磨けばキレイになるので、ぜひ試してみてください。
ニューバランス576の機能性

オフロードで走ることを想定して作られたモデルというだけあって、機能性も優れています。
アッパー素材のスエードはスムースレザーと比べて傷がつきにくく、耐久性にも優れています。傷がつきにくいのでそこまで丁寧に扱う必要がないのもスニーカーとして嬉しいポイントです。
もちろんレザーのケアをすることでよりきれいに長く使うこともできます。
また、レザーは吸発湿性がある素材で蒸れを発散してくれるんですが、このモデルで使用されているピッグスエードは革を毛穴が貫通していることでより通気性が高くなっているのも特徴です。
地面に接するアウトソールはゴツゴツとしていて、砂利道などの悪路でも地面をしっかり掴んで滑りにくい仕様になっています。
対照的に、ニューバランスの900番台のようなオンロード用(コンクリートなどで舗装された道)のアウトソールは結構平らになっており、接地面を増やすことで滑らかな路面でも滑りにくくしています。
576はオフロード(悪路)用だけど、普通の道を歩いても全く問題ないのでご安心を。

中間に位置するミッドソールにはニューバランス独自のC-CAP(シーキャップ)という素材が使用されています。
C-CAPは、EVAを圧縮することでクッション性を大幅に高めたテクノロジー素材で、圧縮により劣化を予防する効果もあるため、長期保管にも向いた素材です。
ちなみにEVA(イーブイエーまたはエヴァとも読む)は、エチレン・ビニール・アセテート樹脂の略で、それぞれを調合して圧縮成形したスポンジ素材のこと。
軽量でクッション性に優れており、ポリウレタン素材の弱点でもある加水分解による劣化にも強いという特徴を持ちます。
難しい用語が続きますが、どれもニューバランスが開発した独自のテクノロジーです。
ニューバランス576の生産国(UKとUSAの違い)

ニューバランスは同じモデルであっても生産国により価格や特性が異なります。
主な生産国は下記の通り。
- アメリカ製:少量生産、高額、最新のテクノロジーを重視
- イギリス製:少量生産、高額、高級感を重視
- アジア製:大量生産、安価、だからと言って品質は悪くない
ニューバランス576はどうなっているかというと、1988年の発売当初はアメリカ製(USA)でしたが、現在はイギリス製(UK)が主流になっています。
made in UK(イギリス製)

今回ご紹介しているのはイングランド製のもので、シュータンにイギリスの国旗である「ユニオンジャック」や「MADE IN ENGLAND」の文字が刺繍でデザインされているのが特徴です。
え?イングランド?と思った方もいるでしょう。
そもそもイギリスは連合王国で、イングランドをはじめとする4つの地域から構成されています。なのでシュータンに「MADE IN ENGLAND」と記載されていますが、要はイギリス製ということです。
英国の正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」です。 「連合王国」は英語で「United Kingdom」。 よって、「UK」と略されることもあります。 連合王国を構成するのは「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」の4つの地域です。
出典:https://news.yahoo.co.jp/
イギリス製の特徴は、アジア製の安価なモデルに比べて素材にこだわっており、全て職人によるハンドメイドで作られている点です。
素材となるレザーは一流のタンナー(皮革製造業者)から質の高いものだけを厳選して仕入れていますし、制作工程においてはレザーの型抜きから縫製、ソールの貼り付けまで熟練の職人が一足一足手作りをしています。
こうしたこだわりと手間暇がかかっているためクオリティはかなり高いですが、定価で2万円後半とスニーカーにしてはかなり高価です。
ちなみに、アジア製のものはABCマートなどの量販店で5,000円から10,000円前後の価格で購入することができますので、安い値段で手に入れたい方や、クオリティにそこまでこだわりのない方は、アジア製という選択もアリでしょう。
made in USA(アメリカ製)
今でこそイギリス製が主流になっているニューバランス576ですが、1988年に発売されたオリジナルはアメリカ製でした。
576のアメリカ製はとても貴重なためマニア人気も高いです。そうしたこともあり、1995年には「メイド・イン・USA」として完全復刻版が発売されました。
デビュー当時そのままに、素材はスエード×ナイロン、色はネイビー単色、シュータン部分には「Made in U.S.A」の文字が入っているという、こだわりのモデルです。
もちろんこれをマニアたちが見逃すわけもなく、即完売の人気となりました。
今はどうなっているのか調べてみたところ、残念ながら廃盤となっているようで、メルカリなどの中古市場を探しても見当たりませんでした。
さすが人気のニューバランス576。
ニューバランス576の素材の種類
ニューバランスは同じモデルでも色違いがあるのと同じように、素材違いが存在します。
576においては、ニューバランスでは少ないスムースレザー製が多く揃うのが特徴です。
その他にもスエードやコードバンシリーズも人気です。下記でざっとご紹介します。
スムースレザー
ニューバランス576でもっとも代表的な素材が、スムースレザーです。576の主流であるイギリス製はスムースレザーを使用しているモデルが多いです。
スムースレザーとは、表面がなめらかな革の総称のこと。英語で「smooth」と書き、「なめらかな」という意味があります。「スムーズに進む」の「スムーズ」と同じ言葉です。
表面に凸凹や起毛がなく、フラットでなめらかな触り心地が特徴です。
このスムースレザーは、ニューバランスのスニーカーでも上級モデルに使用されることが多い素材で、見た目の高級感でいえばピカイチ。
また、きちんとお手入れをしすれば経年変化を楽しむことができますので、ソールやインナーのリペアをしながら履ける方であれば、一生の相棒としても使えるでしょう。
スエード
ニューバランス576は、代表的なスムースレザー製だけではなく、スエード製のモデルも多く揃っています。
スエードは起毛皮革の一種で、表面を起毛することで柔らかな手触りと、見た目に上品な光沢感とあたたかみのある雰囲気になるのが特徴です。
スウェーデンで発明された素材なので、スエードという名前がついています。歴史的な面で見ると最初は靴ではなく手袋の生地として使われており、特にフランスで大流行した素材です。
576は今でこそスムースレザーが定番になっていますが、もともとスエード素材で発売されたモデルですので、スムースレザーに負けず劣らずの人気素材です。
ヌバックレザー
先ほど576の主流であるイギリス製はスムースレザーを使用したモデルが多いと書きましたが、希少なアメリカ製ではこのヌバックレザーを使用したモデルが多いです。
ヌバックレザーはスエードと同じ起毛革の一種ですが、より毛足が短くマットな質感であることが特徴です。
起毛しているものの、毛足が短いので手で触れると柔らかいうえしっとりしていて、生地も厚みがあるので、上品さやあたたかさを感じることができます。
ほかの皮革製品と同じように、使い込むと色が濃くなり光沢も生まれるなど味が出てきます。
コードバン

ニューバランス576には他のモデルには珍しいコードバンシリーズが存在しています。
コードバンは「革のダイヤモンド」とも呼ばれ、数ある革のなかでも最高級の素材です。
馬のお尻部分の皮なのですが、一般的に仕上げられた革と違い、皮の中にある厚さわずか2mm程度の「コードバン層」と呼ばれる部分だけを削り出したものが、コードバンの革です。
これだけでも希少性の高さが感じられますが、このコードバン層を傷つけずに削り出すのにも熟練の技が必要です。
この削り出す作業工程が「宝石採掘」に似ていることや、希少性、仕上がりの美しさから「革のダイヤモンド」と呼ばれているんです。
話を戻しましょう。
ニューバランス576のコードバンシリーズですが、実は本物のコードバンが使われているわけではありません。
ここまで期待させておいてそれは無いですよね笑
ではなぜコードバンシリーズと名付けられているのかというと、コードバンを彷彿とさせる「コードバンカラー」だからです。
実際に見てみると、さすがニューバランスといった絶妙な色使いになっており、独特の光沢から高級感のある仕上がりになっています。
このコードバンシリーズは希少なアメリカモデルの復刻版として限定的に発売されており、コードバンカラーの他に、チョコレートブランも展開していました。どちらもマニア垂涎のモデルですね。
素材の見分け方

ニューバランスは商品名がアルファベットと数字になっているので、何がなんだか分からないという人も多いでしょう。
素材の見分け方は、末尾のアルファベットです。
例えばSW=スエード、CD=コードバン、L=レザー、といったように素材が末尾のアルファベットで示されています。
ただしここは「カラー」や「コラボ」を表す部分でもあるので、組み合わせによってはスエードがSW→Wだけに略されたりします。
実際に僕が購入した「M576DNW」は、D=ダーク、N=ネイビー、W=スエード素材を表しています。
このように、ニューバランスの素材は末尾のアルファベットから読み取ることができますが、必ずしも統一されたルールではないので、不安な方は商品詳細ページをよく見るか、実店舗で確かめることをオススメします。
ニューバランスのアルファベットと番号はややこしいのです……。
他のモデルとの違い
ニューバランスはさまざまなモデルがあるので、違いが気になる方が多いと思います。
そんなお悩みに応えるために、576と比較されることの多い「574」、「996」、「1400」との違いを解説します。
どれも実際に購入していますので、僕の私物を使ってレビューします。
まずは「574」から見ていきましょう。
ニューバランス574との違い
576ともっとも比較されることの多いモデルが、同じ500番台である「574」です。
ぱっと見は同じように見えますが、大きく下記の3点に違いがあります。
- 素材
- デザイン
- 価格
各項目ごとに詳しく解説します。
素材

ひと目見て、わかりやすく違うのは素材です。
576はアッパーがすべてレザーで作られているのに対して、574は甲の部分やシュータン、履き口の一部がメッシュ素材になっています。
機能性の面でいうとメッシュの方が通気性はいいのですが、耐久性や高級感と言った意味ではレザーの方が上でしょう。
スエードレザー自体も576の方がしなやかで滑らかな風合いがあるように感じますが、よく見比べてみないと分からないので、実際に履く時にはそれほど気にならない点かと思います。

次は素材のテクノロジーを比較します。テクノロジー用語がよくわからない方は上記の表を参考にしてください。

まずはミッドソール。使用している素材に違いがあります。
576はEVA素材を圧縮したC-CAPを使っているのに対して、574はEN-CAPを使用しています。
ポリウレタンが混ざっているEN-CAPは加水分解(水と化学反応することによる劣化)を起こしやすいんですが、C-CAPはEVA素材のみで作っているため、加水分解を起こしにくくなっています。
つまりスニーカーの寿命を長持ちさせるという点においては、576の方が優れていると言えるでしょう。

アウトソールはほぼ同じです。どちらも500番台のオフロード向けモデルということで、悪路でも歩きやすいようにゴツゴツとした作りになっています。
実際に歩いてみるとわかりますが湿った泥道でも地面を掴んでくれる感覚があり、滑りにくいです。
デザイン

シルエットについてよく見てみると576の方が少しだけ細長くなっています。
ボリュームのあるスニーカーは足元で主張して視線を集めるので、足が短く見えがちなので、何も考えずに合わせるとスタイルが悪く見えてしまい着こなしもサマになりません。
どちらもボリューム感のあるシルエットではあるんですが、576の方がややスッキリとしていて履きやすいです。
また、素材のお話とかぶりますが、やはりメッシュの切り替えの有無が大きな違いと言えるでしょう。
レザーのみで作られている576はスニーカーながらシックな雰囲気があります。
レザーとメッシュのコンビネーションになっている574はよりスポーティーでスニーカーらしい雰囲気があるでしょう。

ニューバランスのアイコンであるNロゴも少しだけ異なっていて、576は一枚のスムースレザーでNロゴが表現されていますが、574では2枚のレザーを重ねて縁取りのようにしているのです。
Nロゴのメインとなるカラーがアッパーの色と同じになっているので、縁取りがあるものの、全体としては馴染んで見えるという特徴もあります。
実は576でも別カラーなら縁取りがあるNマークになっているものもあるので、気になる方はチェックしてみてください。

シュータンのデザインにも違いがあります。576はイングランド製であることが主流なので「MADE IN ENGLAND」の国旗と刺繍が入っています。
一方574はクラシックの文字が入っています。どちらが優れているとかはないので、ここは好みの部分になるでしょう。
価格
僕が購入した「M576」の価格は26,000円ですが、比較した「ML574」の価格は9,900円と1万円を切っていました。
ちなみに574の中でもオールレザーのモデルがありますが、そちらはシンセティックレザー(合成皮革)が使用されていて、価格は9,000円です。
先程言ったように576はイギリス製で、574はアジア製という点や、素材にかかる原価の違いなどが価格の差につながっているかと思います。
注意点として、ニューバランスは同じモデルでも生産地やコラボ品が出ていたりするので、価格を一概に比較することはできません。ただザックリ基本的には574よりも576の方が高額です。
今回のモデル比較だと約2.5倍の差がありますが、どちらもいいスニーカーであることは間違い無いのでデザインの好みや予算に合わせて選ぶといいでしょう。
個人的にはシンプルな見た目で大人っぽく履きやすい576の方が好みですし、オススメです。
ニューバランス996との違い
次はニューバランスの代表的な名作である「996」との違いを見ていきましょう。
996はニューバランスの900番台で一番クラシックなデザインになっているので、同じくクラシック顔の576と比較されることの多いモデルです。
主な違いは下記の4点です。
- シリーズ(コンセプト)
- デザイン
- 機能性
- 価格
各項目ごとに詳しく解説します。
シリーズ(コンセプト)

一番の違いはシリーズです。
ニューバランスは「500番台=オフロードモデル」といったように、「○○番台」ごとにシリーズが分かれています。
なので576と996はそもそもシリーズが違います。
- 576=500番台=オフロードモデル
- 996=900番台=オンロードモデル
576はオフロード用のモデルとして開発されており、砂利道などの悪路での走行安定性が重視されています。そのためアウトソールを凸凹させることで地面を掴みやすいようになっています。
対して996はオンロード用のモデルとして開発されており、舗装された道路を歩くことを想定した作りになっています。なので576に比べてアウトソールは平坦でフラットになっています。
ソールはあまり見た目に露出しない部分ではありますが、凸凹とした576の方がカジュアル寄りの印象を与えやすいので、ここは好みで選びましょう。
デザイン

全体的なデザインはどちらもクラシック顔で似ていますが、シルエットには違いがあります。
576は丸みのあるシルエットをしていますが、996は細身でスラッとしたシルエットをしています。(写真だとわかりにくいかも。)
実物を見るとじっくり見比べないと気づかないレベルの違いですが、実際に着用すると576はカジュアルな印象、996はスタイリッシュな印象になります。
カジュアルなファッションが好きな方や、キレイ目なコーデの”外し”としてスニーカーを履きたい方は「576」、カジュアル寄りもキレイ目なファッションが好きな方は「996」を選ぶと良いでしょう。

ニューバランスの顔ともいえる「Nロゴ」は、576はレザー1枚で表現しているのに対して、996は色違いの2枚のレザーを重ねたデザインになっています。

ヒール部分は576は「new balance」の文字が刺繍で表現されており、手のこんだ高級感があります。一方996はロゴマークだけのシンプルなデザインになっています。
機能性

先ほど576=オフロードモデル、996=オンロードモデルと説明しましたが、これにより搭載されている機能に違いがあります。
576は砂利道などの悪路を歩くために開発されていますので、アウトソールが硬い&溝が深く、地面を掴みやすい設計になっています。
一方996は平らな道を走るためのロードランニング仕様になっていますので、クッション性があり、アウトソールは平坦でフラットになっています。

また、これはあまり見えない部分ですが、ミッドソールの素材にも違いがあります。
576はC-CAPを採用しているのに対して、996はEN-CAPを採用しています。
前述の「576と574の違い」でもご説明しましたが、ざっくりいうとEN-CAPのアップグレード版がC-CAPです。
EN-CAPは、EVAという軽くてクッション性のある素材を、ポリウレタンで包んだ構造になっています。このポリウレタンはデメリットとして加水分解(水と化学反応することによる劣化)を起こしやすいという特徴があります。
一方C-CAPはポリウレタンを使用せず、EVAのみで作っているため、加水分解を起こしにくくなっていいます。
つまりスニーカーの寿命で考えると、996よりも576の方が優れていると言えるでしょう。
価格
どちらもほぼ同じくらいの価格なのですが、例外として996にはアジア製の低価格モデルが存在します。
ニューバランスの価格は、同じモデルであっても生産国によって変わります。ハンドメイドが基本のアメリカ製とイギリス製が高額なのに対して、工場による大量生産が基本のアジア製は価格が安くなります。
576は基本的にイギリス製(稀にアメリカ製)になるので価格は高めです。
一方、996はアメリカ製が主流であるものの、先述のとおり「CM996」というアジア製の低価格モデルが存在します。
実際の価格はというと、僕が購入した「M576」は26,000円、「M996」は25,000円と同じくらいです。
ただ、996のアジア製である「CM996」は13,800円と半額近い値段になっています。
近年はアジアの生産レベルも上がってきているため、安いからといって品質が悪いかというとそうでも無いのですが、やはり細かな部分ではハンドメイドのアメリカ・イギリス製には劣ります。
なので、576か996のどちらかの購入で、安さのみを求める場合はアジア製の996を選ぶのが良いでしょう。ちなみに576と996なら996のがよりオススメ。996はアパレル業界人気が高いです。
ニューバランス1400との違い
次はニューバランスの「1400」との違いを見ていきましょう。
576と1400はそこまで似ていないので多くを語る必要はないと思いますが、576と1400の違いでGoogle検索をしている方がいらっしゃるようなので解説します。
主な違いは下記の3点です。
- シリーズ(コンセプト)
- デザイン
- 機能性
各項目ごとに詳しく解説します。
シリーズ(コンセプト)

ニューバランスは「500番台=オフロードモデル」といったように、「○○番台」ごとにシリーズが分かれています。
なので576と1400はそもそもシリーズが違います。
- 576=500番台=オフロードモデル
- 1400=1000番台=プレステージモデル

576はオフロード用のモデルとして開発されており、砂利道などの悪路での走行安定性が重視されています。そのためアウトソールを凸凹させることで地面を掴みやすいようになっています。
対して1400はラグジュアリーなモデルが揃うプレステージラインという位置づけです。こちらは1000番台の2作目にあたるモデルですが、当時の技術では量産化が困難で一度お蔵入りしたというエピソードを持っています。
その後、日本支社の協力により製品化を実現するのですが、そうした経緯があったからか、正規展開はアメリカではなく日本から始まりました。
このように1400はニューバランスのなかでも珍しいモデルなのですが、残念ながら現在は生産が終了しています。
デザイン

デザインにはいくつかの違いがあります。
まずシルエットは、576が丸みを帯びているのに対して、1400はほんの少しだけ細身になっています。よく見比べないとわからないレベルですが、576の方が少しカジュアル寄りと言えるでしょう。

Nロゴは576はレザー1枚のシンプルなデザイン。1400は色違いのレザーを2枚貼り合わせたやや手の込んだデザインになっています。

次にシュータン(ベロともいう)ですが、576の方が薄く、1400の方が厚みがあります。どちらが良いとかはなく、ここは好みで選ぶ部分でしょう。シュータンが厚い方がボリュームを感じやすいです。

最後はヒールのデザイン。576は「new balance」と刺繍されていますが、1400は「NB」となっています。あまり見えない部分なのでそこまで気にする必要はないですが、1400の方がややスタイリッシュな印象です。
機能性

576と996はミッドソールの素材に違いがあり、576はC-CAP、996はEN-CAPを採用しています。
ざっくりいうとEN-CAPのアップグレード版がC-CAPです。
EN-CAPは、EVAという軽くてクッション性のある素材を、ポリウレタンで包んだ構造になっています。このポリウレタンのデメリットは、加水分解(水と化学反応することによる劣化)を起こしやすいという点です。
一方、C-CAPはポリウレタンを使用せず、EVAを圧縮成形しているため、加水分解を起こしにくくなっていいます。
ニューバランスのスニーカーがダメになる大きな原因の一つが加水分解なので、そこに耐性のあるC-CAPはありがたい素材ですよね。
まとめると、スニーカーの寿命を長持ちさせるという点で、EN-CAP採用の1400より、C-CAP採用の576の方が優れていると言えるでしょう。
ニューバランス576の人気色

ニューバランス576の人気色はネイビーです。
1988年のデビュー当時の色がネイビーだったので、ニューバランス好きの方を中心に人気の色となっています。
実際に僕が愛用しているのもネイビーです(厳密にはダークネイビー)。
ネイビーは誠実で上品な雰囲気を作れる色で、黒ほど重たい印象になりすぎないので、コーディネートに取り入れやすい色です。
艶が分かりやすいカラーなので、レザーやシルク、ウールなど艶が重要視される素材だとネイビーカラーは映えやすいので洋服を見る際の参考にしてみてください。
ニューバランス576はネイビー以外のカラーだと、ブラック、グレー、レッド、ホワイトあたりが代表的です。
その他コラボや別注なども含めると、グリーン、ブラウン、イエロー、オレンジ、パープル、ピンク、ベージュ、ゴールド、シルバー……なども恐らく存在しますので、気になる方は調べてみてください。
さらにいうと、例えばポールスミスとのコラボだったり、別注モデルなども存在します。
さらにさらに、1988年のオリジナル誕生から数えて、20周年、25周年、30周年とアニバーサリーモデルも発売しています。恐らくもうじき迎える35周年でも新作が登場するでしょう。
同じ576でも色々あるので全てを把握するのはマニアでも難しい……。
ちなみにニューバランスの色は、商品名の末尾にあるアルファベットから読み取ることができます。

こちらの画像にあるとおり、BK=グレー、GL=グレー、DG=ダークグレー、といった具合です。
ただしここは「素材」や「コラボ」を表す部分でもあるので、組み合わせによってはこのルール通りではなくなるので注意が必要です。
ニューバランス576のサイズ感

僕が購入したサイズは、USA7.5、UK7、日本サイズは25.5cmで幅は細めのDワイズ(ウィズとも言う)です。
ニューバランスのスニーカーは各国で販売されているため、このように様々なサイズ表記があります。
オンラインショップだとUSサイズかUKサイズしか表記してなかったりすることもあるんですが、微妙に数値が違っていて間違えやすいので、下記のサイズ表を参考にしてみてください。
JPN(日本サイズ) | US(アメリカ) | UK(イギリス) |
24.0cm | 6 | 5.5 |
24.5cm | 6.5 | 6 |
25.0cm | 7 | 6.5 |
25.5cm | 7.5 | 7 |
26.0cm | 8 | 7.5 |
26.5cm | 8.5 | 8 |
27.0cm | 9 | 8.5 |
27.5cm | 9.5 | 9 |
28.0cm | 10 | 9.5 |
28.5cm | 10.5 | 10 |
29.0cm | 11 | 10.5 |
30.0cm | 12 | 11.5 |
僕はコンバースのオールスター(ジャパンメイドモデル)で26.5cm、スタンスミス(サステナブル)で25.5cmを履いていますが、直営店でフィッティングを合わせてもらった結果、このサイズでぴったりでした。
ちなみにニューバランスの原宿店で足のサイズを計測したときは、実測25.0cmでした。
基本的にニューバランスのスニーカーはハーフサイズ〜1サイズアップを選ぶのがおすすめです。
とはいえ足の形は人それぞれ。ジャストサイズを見つける方法は、やはり実店舗でのフィッティングです。
ニューバランス576の履き心地
履き心地はふわふわとしていて足全体を包み込んでくれるような感じです。先程も言ったように576はオフロードモデルなので、靴の中で足が動かないように全体にクッションが入っています。
他のモデルと比べると、足首までしっかりホールドするために履き口のクッションが厚めになっているのが特に印象的です。矯正履がルーツなだけあって、足の裏もしっかり支えられている感覚があり、安定した履き心地です。
スニーカー自体がかなり軽量に作られていますが、しっかりと足にフィットすることでさらに重さを感じにくくなっています。
購入時点でかなり快適な履き心地でしたが、その後も愛用し続けていまして、さらに馴染んで歩きやすくなっています。
ニューバランス576のおすすめコーディネート

パンツ:ワイドパンツ(RePLAY / 未発売品)
シューズ:NB576(ニューバランス)
※モデルはMLR店長の松田君
お気に入りの再構築スウェットを使ったコーディネート。
スウェットシャツに黒パンツというシンプルなコーデですが、リメイクしたスウェットシャツが効いていて地味にならない着こなしになっています。
また着用しているアイテムがどれもカジュアル寄りなので、メンズのキーカラーである黒をベースに色数を抑えることでカジュアルになり過ぎない工夫をしています。
メンズのコーディネートは色数を増やすとカジュアルになりがち&難易度が上がるので、初心者の方はこちらのコーディネートのように色数を抑えることを心がけるのがオススメです。
ニューバランス576の評判

ここまで魅力を語ってきたニューバランス576ですが、世の中の評価や評判はどうでしょうか?
というわけで以下の2つの方法で調べてみました。
- 僕のInstagramでのアンケート
- 世間一般の口コミ
それぞれご紹介します。
僕のInstagramでのアンケート
ニューバランス576とよく比較されるモデルでの人気投票をおこないました。
結果、996が62%と圧倒的な人気に・・・!
- 576:8%
- 574:9%
- 996:62%
- 1400:21%
996はアパレル業界でもとくに人気のモデルですし、オシャレ用途のニューバランスとしては大定番ですので、その結果が如実にあらわれたと言えるでしょう。
とはいえ、996の人気が強すぎるだけで、576が不人気かというとそうではないので、576の方が好みだという方は特段気にせずに着用いただいて問題ないと思います。
↓参考までにキャプチャを貼っておきます。

世間一般の口コミ
SNSを中心に調べてみた結果、やはりニューバランス屈指の名作ということもあって、ほとんどがポジティブな意見でした。
とくにスニーカー好きの皆さんから様々なコメントが上がっていて、アメリカ製が好き、コードバンが好き、別注が好き、などなど、同じ「576」のなかでも好みが分かれているようでした。
マイナスな意見としては、「見た目が運動靴であまり履いていない」というものがありました。
先述したとおり確かにカジュアル寄りのテイストにはなっているので、メンズファッションに取り入れる際は、シャツやスラックスなどと合わせて、キレイ目なコーディネートの外しとして使うのがオススメです。
これはどのアイテムにも言えることですが、そのアイテムがオシャレかどうかを決めるのは全身のコーディネートにかかっています。
例えば全身カジュアルなファッションに対してカジュアルなスニーカーを履くと子供っぽくなってしまいますが、全身キレイ目なファッションに対してカジュアルなスニーカーを履くのであれば、それは良い”外し”となり、オシャレに見せることができます。
アイテムは単体ではなく、トータルコーデで考えましょう。
ニューバランス576を長く履くコツ

ニューバランスのシューズはもともと頑丈に作られていますが、ただしいお手入れをすることでさらに寿命を伸ばすことができます。
逆にいうと、これらを意識せずに雑に扱ってしまうことで、劣化スピードが早まってしまいます。
ソール交換などの修理は面倒だと思うので、普段のお手入れを大切にしましょう。
ポイントは下記の4つです。
- 適度に休ませる
- 靴紐をしめたまま履かない
- お手入れはアッパーの素材にあわせる
- 温度・湿度が低いところで保管する
お手入れはアッパーの素材により方法が異なるので、以下で説明します。
お手入れ方法・洗い方
アッパーが天然皮革・人工皮革・織布かでお手入れ方法が異なります。
アッパーとは、靴の底を除いた上の部分のことです。それぞれ見ていきましょう。
天然皮革アッパー

天然皮革アッパーのシューズは、市販のシュークリーナーを柔らかい布につけて汚れを拭き取ります。その後、シュークリームを全体に塗りよく磨いてください。
スエード素材の場合は、スエード用ブラシでやさしく起毛するように汚れをかき出した後、スエード用クリーナーを使用しましょう。
また天然皮革アッパーは洗濯NGです。激しい色落ち、皮革の硬化などの変質の原因となるので注意しましょう。
人工皮革アッパー

人工皮革アッパーのシューズは、柔らかい布で、ぬるま湯拭きで汚れを落とします。汚れが落ちにくい場合は、市販のシュークリーナーを使用してキレイに拭き取りましょう。
特にトゥ(つま先)は汚れが目立つ部分なので丁寧にお手入れしましょう。
こちらも天然皮革アッパーと同様に、洗濯NGです。激しい色落ち、皮革の硬化などの変質の原因となるので注意しましょう。
織布アッパー

織布アッパーは水洗いが可能です。ただし洗濯機は破損や劣化の原因になるので、なるべく避けましょう。
まずはスニーカー専用洗剤(市販)とぬるま湯で、汚れをきれいに洗い落とします。このとき、漂白剤などの強い洗剤を使うと変色する原因になるので注意してください。
汚れを落としおわったら、洗剤が残らないように、充分にすすぎ洗いをします。洗剤が残っていると変色の原因になりるのでしっかり落としましょう。
洗いおわったら、風通しのよい日陰で自然乾燥させます。直射日光、ドライヤーなどで乾燥すると、変色、変形、縮み、ソール剥離の原因になるので避けてください。
少し面倒なこともありますが、ぜひ意識して長持ちさせましょう。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
ニューバランス574の魅力は伝わりましたでしょうか?
574は「500番台=オフロード」を広めたニューバランスの顔とも呼べる名作です。
その特徴は、老若男女を問わず選ばれる履き心地だけでなく、ニューバランスらしさを感じるクラシックでバランスのとれたデザインにあります。
スニーカーマニアのみならずファッション好きの間でも愛用される超ロングセラーモデルなので、ニューバランスにはじめて挑戦する方にもおすすめのモデルといえるでしょう。
実際、僕はニューバランスだけで20足以上を揃えていますが、そのなかでも「574」はお気に入りランキング上位の一足です。
この記事を読んで気になった方は、ぜひチェックしてみてください。