オシャレのレシピ【vol.2】〜洋服の「カラー」を学ぼう〜

目次
はじめに

前回の記事では、洋服は3つの要素「カラー」「ルーツ」「トレンド」でできているということをお話ししました。
この3要素が絡み合ってファッションは成り立っています。
今回は、その関係性について勉強していきましょう。
まず意識する「カラー」は黒

人が洋服を知覚するのはまず色であると前回の記事で述べました。
洋服の印象をもっとも決定づけるのは「カラー」です。
デザインやシルエットなど、洋服を洋服たらしめている要素に先立って、まず「カラー」が視認されるのです。
例えば、全身赤い服を着ている人がいるとします。その人の第一印象は「赤い人」です。その人が着ているシャツやパンツのデザインが第一印象として認識されることはまずありません。
しかし、なぜか、多くの人は買い物をする際に、色ではなく、形やデザインを優先します。
例えば、Gパンを買う際は、まずGパンという形を認識して、次に色やサイズについて考えているはずです。ユニクロに行って一目ぼれしたアイテムであっても、それはまずはデザインであって、色は二の次だと思います。
「素敵な白い服だから、このズボンを買おう」とはならないはずです。
その結果、おそらく、いまクローゼットを開けてみて、例えば、すべての洋服が3色以内に収まっているという人は皆無でしょう。
じつにさまざまな色であふれているはずです。黄色いTシャツや、色の薄いGパンから濃いもの。ひょっとすると赤い靴下まであるかもしれません。
いまより少しオシャレになりたいと思った場合、こういった派手な原色やさまざまな色を使いながらコーディネートすることは非常に難しいものとなります。
黄色と赤い服で思い浮かべる人物は?

例えば、黄色と赤い服で思い浮かべる人物といえば、マクドナルドのドナルド・マクドナルドです。全身カモフラージュ柄であれば、それは兵士か、サバイバルゲーム用のユニフォームです。
つまり、色が派手だったり、色数が多いと、コーディネート全体の印象は雑多なものになり、オシャレに見せるハードルがとても高く上がってしまうのです。ドナルドの服がオシャレではないとは言いませんが、街中で見ればかなり奇異な印象を受けるはずです。
では、どんな色がオススメなのか?
メンズファッションおいてもっとも重要な色は「黒」です。
どんな色にも明るい色と暗い色があります。明るい青もあれば、暗い青があります。
黒と白の2色のかけ合わせでできた無彩色において、黒はもっとも暗い色で、明るさがないので、言い換えればもっとも地味な色です。
黒以上に暗い色はありません。
そして、この「黒」という色は、西洋の服飾史において、さまざまな歴史の変遷を経て礼装の燕尾服や、モーニングコート、タキシード、喪服などに使われるもっともフォーマルな色でもあります。
メンズファッションにおいて、もっとも格式の高い色が「黒」なのです。
なぜ「黒」が重要なのか?

では、なぜ礼装ではなく街で普段着る「街着」においても「黒」が重要なのでしょうか?
先ほど黒は格式が高いと書きました。色に優劣はありませんが、黒い服は格調が高くなります。
たとえば、スーツスタイルを思いだしてください。黒のスーツは冠婚葬祭で着ることができます。黒、グレー、ネイビーであれば会社などオフィシャルな場で着ることができます。
それが、水色や、茶色のスーツになってくると着ていく場所はずいぶん限られてくるでしょう。
ここで重要なことは、「黒」は格式が高く見える色である一方で、もっとも暗く地味な色でもあるということです。
この一見相反するような印象を持つ「カラー」だからこそ、黒はメンズファッションを支えるキーカラーだと言えるのです。
オシャレのレシピ【vol.2】のまとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事では、洋服を構成する3つの要素のうち、「カラー」についてお話ししました。
そして、メンズファッションおいてもっとも重要な色は「黒」なのです。
このことを覚えた上で、次回は洋服を構成するもう一つの要素「ルーツ」について勉強していきましょう。