オシャレのレシピ【vol.5】〜洋服の「トレンド」を学ぼう(前編)〜

目次
はじめに

洋服は3つの要素「カラー」「ルーツ」「トレンド」でできています。
ここまでの記事(vol.1〜vol.4)では、「カラー」と「ルーツ」について学んできました。
残る1つは「トレンド」です。
トレンドは説明が長くなるので、前編・後編の2回に分けてお話します。
一度にたくさんは覚えきれないと思うので、前編はちょっと短めに。
それでは早速いきましょう。
「トレンド」とは何か?

ファッションに興味をもち、洋服を着て少しオシャレに挑戦してみようと思ったときに、一番、難解なのが「トレンド」です。
流行っているものがすべてオシャレとは限りませんし、流行っているからといってオシャレなわけでもありません。
上記で掲げた色とルーツ、「黒」「スーツ」の法則は、おそらくこの数十年は不変の法則だと考えられますが、「トレンド」は不変ではなく、常に変わっていきます。
ファッションの奥深い楽しみである一方、一般人には実につかみどころのないやっかいなものです。
さて、この「トレンド」ですが、覚えておいてほしいのは、主に細い大きいといったシルエットに影響するものと、シンプルか装飾的かといったデザインの2点に影響を与えています。
まずシルエットですが、これは、パッと見の全身のコーディネートが細いか大きいかです。
現在では少し奇異に映るかもしれませんが、2000年代初頭にエディ・スリマンがつくりあげたピタピタに細いスキニーデニムに細みのテーラードジャケットを合わせたスタイルは、メンズファッション界に衝撃を与え、以来、シルエットが細いということはカッコいいという価値観を新たに生み出しました。
この流れは10年以上にわたってメンズファッションに影響を与えています。
トレンドはらせん階段のようなものです。一度はやったものは必ず廃れ、10年以上の時を経てまた戻ってきます。
しかし、10年前のものと同じではなく、少し新しくなって戻ってきます。

現在は、細みのシルエットが流行った反動で、シルエットは少しずつ大きくなり、2022年現在、いわゆる「ビッグシルエット」がトレンドの最頂点にあります。
エディ・スリマンがつくりあげたスタイルとは真反対のシルエットと言っていいでしょう。
そしてそれはユニクロに行けば一目瞭然です。
ユニクロのような老若男女に向けて作られた洋服でも「ビッグサイズ」「ビッグシルエット」と冠されたアイテムが売られているほどです。
「ビッグシルエット」は最頂点と書きましたが、それはファッションに興味を持っている人たちの間では、という意味です。
トレンドの終焉は、もっともトレンドとは縁遠い、おじいちゃんおばあちゃん、または子供がそのアイテムを着始めたときに終わると言えます。
ユニクロのフリースジャケットを田舎に住むおじいちゃんおばあちゃんが着始めたときに、そのアイテムはすでにトレンドではなくなっているのです。
さて、このトレンドですが、この先、また揺り戻しがきて、少しずつシルエットは細くなっていくはずです。
ただし、この先何年かかるかは誰にもわかりません。
ランウェイでコレクションを発表している、いわゆるハイブランドのデザイナーやクリエイターたちが試行錯誤をしながら、新しい価値観の創造にいそしんでいます。
そのクリエイションが街着に影響を与えるまでにはさらなる時間を要するからです。
オシャレのレシピ【vol.5】のまとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事では、洋服を構成する3つの要素「カラー」「ルーツ」「トレンド」のうち、「トレンド」についてお話ししました。
トレンドは、「社会背景・娯楽・人々の飽き」と密接に絡みあっており、その影響を受けてゆっくりゆっくりと移り変わっていきます。
そして、一度はやったものは必ず廃れ、10年以上の時を経て、姿を少し変えて戻ってきます。
いわゆるリバイバルトレンドです。
トレンドの理解は難解ですが、オシャレの必須条件ですので、しっかり覚えましょう。
次回はトレンドの「後編」です。より詳しく勉強していきましょう。