【完全保存版】スポーツがルーツのファッションアイテムまとめ!

こんにちは!まとめです。
すべての洋服には原型となる「ルーツ」が存在しているのをご存知ですか?
Gパンはワークウェア、ポロシャツはスポーツウェア、モッズコートはミリタリー、といった具合です。
ファッションにおいて、ルーツを知るのはとても大事なこと。
なぜなら、洋服にはもともとちゃんとした役割があり、その機能性によってデザインされているからです。
例えば、誰もが1本は持っているデニムパンツ。
これはアメリカのゴールドラッシュの際に生まれた、炭坑夫のワークウェアです。
インディゴ染めのデニム生地が採用された理由は、耐久性とともに、インディゴに虫よけの効果があったから。
ポケットの端にリベットが付けられた理由は、破れやすいポケットを補強できたから。
このように、すべての洋服には元となるルーツが存在し、すべてのデザインには意味があるのです。
今あなたが着ている服にも、必ずルーツが存在し、デザインには意味があります。

そして、洋服が持つルーツのほとんどは、この7つのどれかに分類できます。
- スーツ&制服
- ミリタリー
- アウトドア
- スポーツ
- ワークウェア
- 下着
- 民族衣装
僕のブログでは、これを「洋服の7大ルーツ」として、皆さんにご紹介をしています。
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは「スポーツ」がルーツのアイテム。
一覧で紹介するので、ぜひ最後までお付き合いください。
コーヒータイムの読みもの的に、気軽に読んでもらえると嬉しいです!
目次
ポロシャツ

ポロシャツは1920年代、テニス用ウェアとして誕生したと言われています。
当時のテニス選手たちは、今でいうワイシャツのような、フォーマルで動きにくいシャツでプレーをしていました。
そこで注目されたのが「ポロ」という競技で使用されていた、吸水性に優れた機能的なシャツ。
もともと丸首のシャツでしたが、紳士のスポーツであるテニスウェアに合わせて襟が付けられたことで、現在のポロシャツの原型が完成しました。
その後、テニスの人気拡大とともにポロシャツは一般層へも普及。
現在はメンズファッションの大定番になるまでに至りました。
ちなみにポロシャツは、紳士のスポーツであるテニスが発祥ということもあり、セミフォーマルなアイテムとしても扱われています。
実際に、スーツスタイルの職場においても、夏のワイシャツの代わりとして、ポロシャツが許されていたりしますよね。
ちなみにポロシャツを開発したのはラコステと言われています。
スウェット

スウェットは1920年代、運動用のウェアとして開発されました。
考案者は、米国の名門ラッセルアスレティックの創業者の息子、ラッセル・ジュニア。
着心地が悪かったウールの運動着を、コットン素材に改良したことで生まれたのがスウェットの起源です。
コットンの運動着は伸縮性に優れ、なにより吸水性が抜群。
Sweat(汗)をよく吸収することから「スウェット」という名前がつきました。
ちなみにあなたは「スウェット」と「トレーナー」の違いをご存知ですか?
実はこれらは、名前は違えど同じものです。
「トレーナー」はスウェットのことを指す和製英語。
スポーツジムのトレーナーさんがスウェットを着ていたことから「トレーナー」という呼び名が生まれました。
ついでにもう一つ質問です。
あなたはスウェットに「グレー」が多い理由をご存知ですか?
これは、格上素材であるウールの色味を、コットンで真似したためです。
先述のとおり、ウールの運動着を、コットンに改良したのがスウェット。
ウールは獣毛から作られるため、その色は自然由来のナチュラルな「グレー」であることが一般的でした。
そのウールのグレーを真似してできたカラーが「杢(もく)グレー」と呼ばれる、現在のスウェットで多く見られるグレーです。
すべての洋服には、その形になった理由が存在します。だからルーツは面白い。
セーター

「汗を吸収すること」が名前の由来になったスウェットですが、「汗をかかせること」が名前の由来になった洋服も存在します。
それがセーター。
セーター(sweater)は、汗をかく(sweat)から名付けられたアイテムで、アメフト選手たちが減量目的で着用していたウールの上着が発祥です。
ウールは保温性に優れた素材のため、汗をかかせるにはピッタリの素材だったんですね。
ではなぜ、アメフト選手の減量用のアイテムだったものが一般層まで普及したのか?
実はそれもまた、ウールが保温性に優れていたからです。
冬などの寒い時期に着る「防寒着」としての機能性が着目され、だんだんとアメフト以外の場でも着用されるようになったんですね。
セーターのもつ伸縮性や着心地のよさが人々にハマり、やがて日常着としても欠かせないアイテムに。
現代では、冬だけでなく夏にも着られるアイテムとなり、夏用糸で作った「サマーセーター」として親しまれるようにまでなりました。
セーターがアメフト由来とは。
ジャージー

ジャージーは、競技用のウェアが発祥です。
よく「ジャージ」と呼ばれますが、正式名称は「ジャージー」。
イギリス海峡のジャージー島で作られた「天竺編み」が名前の由来になっています。
天竺編みは、ニットによく使われる編み方の一種で、伸縮性のある生地になることが特徴。
運動にピッタリな生地のため、競技用のウェアに用いられていました。
例を挙げると、バスケットボール選手やアイスホッケー選手が試合中に着ている、ゼッケンがつけられたシャツがジャージーです。
その着心地のよさから、スポーツ以外の普段着としても着用されるようになり、広く普及することとなりました。
ジャージー素材を初めてファッションの世界に取り入れたのがかの有名なココシャネル。
「ジャージー素材」「ジャージー」で話が混同するので分かりにくい…。
ちなみにジャージーの中でも、陸上競技に使われるものは「トラックジャケット」と呼ばれたりもします。
トラックジャケット

出典:ユニクロ公式オンライン
トラックジャケットは、陸上競技をベースにしたアウターのこと。
陸上競技のトラック(Track)で使われていたことに由来しており、合わせて使用されるパンツをトラックパンツと呼びます。
伸縮性抜群で動きやすく、吸汗速乾にも優れているため、まさにスポーツや運動をするのに適したウェアです。


ちなみにこのトラックジャケット、現代の最旬トレンドとして注目されはじめているのをご存知ですか?
もともと1980〜90年代のストリートファッションで流行したアイテムで、近年ずっと人気でしたが2022AWからその勢いが一気に加速する兆しが出始めています。
長らく続くストリートトレンドからの派生ですね。
実際に、ユニクロUの2022AWコレクションの一つに、トラックジャケットがリリースされたりもしています。
これから目にする機会が増えるアイテムだと思うので、ぜひ注目しておきましょう。
スタジャン(スタジアム・ジャンパー)

出典:ユニクロ公式オンライン
スタジャンは「スタジアム・ジャンパー」の略語。
野球選手がスタジアム(競技場)で防寒用に着用していたジャンパーが由来です。
特徴は、スナップ留めのフロント、両サイドの斜めポケット、襟と袖と裾のリブ編み。
ボディと袖の素材が異なったり、胸や背中にイニシャルやマークが入るものもあります。
もともと野球選手の防寒着だったものが、なぜ一般層にも広がったのか?
大きな理由の一つは、その機能性の高さから、プロ野球のみならず学生のスポーツチームでの採用が増えたこと。
これをキッカケに、一気にメジャーなアウターへと変化していったのです。
また、スポーツチームが記念品として、チームや個人に贈呈するジャケットとして親しまれたことも、世間に広く流通した要因になっています。
スポーツの枠を飛び出て、大衆ファッション化。
ブレザー

ブレザーには、ボタンが一列に配置された「シングルタイプ」と、二列に配置された「ダブルタイプ」が存在します。
諸説ありますが、それぞれ異なるルーツを持っています。
シングルタイプ
シングルタイプのブレザーは、クリケットやテニス用のジャケットが起源とされています。
その誕生は、1829年にイギリスで開催された大学対抗ボートレース。
ケンブリッジ大学のボート部員が、母校のカレッジカラーである燃えるような赤(blazing red、blazeは炎の意)のジャケットを着用していたことが、ブレザーの発祥です。
これをキッカケに「ブレザー」の呼び名が少しずつ浸透。
そして19世紀半ばに入り、ボート部員だけでなく、クリケットやテニスにも使用されるようになり、一気に一般層まで広がることとなりました。
テニスの全英ウィンブルドン選手権では、審判のユニフォームとしても着用されています。
ダブルタイプ
ダブルタイプのブレザーは、ポーランド騎兵の制服が起源とされています。
前合わせがダブルになったのは、乗馬のときに風が入らないようにするため。
その機能性の高さが認められたことで、19世紀にはイギリス海軍の制服として採用されます。
名前の由来は、イギリス海軍の軍艦ブレザー号(HMS Blazer)。
ブレザー号のJ.W.ワシントン艦長が、ダブルタイプのジャケットを揃え、全乗組員が着用。
これを見たほかの軍艦たちも真似したことで流行し、その名前が広く定着していきました。
諸説ありますが、どのルーツも面白いですよね。
まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!
いかがでしたか?
ここまでお話してきたとおり、すべての洋服には原型となるルーツが存在します。
今回は「スポーツ」をルーツに持つ洋服を紹介しましたが、もともとの役割が、現在のデザインへと昇華されていることが分かったかと思います。
スウェットにコットン生地が採用された理由は、運動時の汗をよく吸収してくれるからなんですね。
ヴィンテージのスウェットの首元にあるV字状のガゼットは、汗止めと生地の縮みを防止するためのディテールです。
どれも「機能美」といえるデザインの数々。
冒頭でもお話ししたとおり、ファッションにおいて「ルーツ」を知るのはとても大事なこと。
デザインの意味がわかるので、コーディネートを組むときや、アイテムを選ぶときの審美眼に繋がります。
また、洋服に詳しいという状態は自信にも繋がりますので、自然とオシャレな振る舞いができるようにもなります。
なにより、ルーツはそれ自体がエピソードとしても面白い。
この記事を通じて、あなにとって「ファッション」というものがより身近な存在になってくれることを願い、この記事を〆させていただきます。
最後までお付き合いくださりありがとうございます!
ちなみに、僕のブログでは『オシャレのレシピ』と称してオシャレの理論を連載しています。
もっと詳しい話が聞きたい人は、下記の記事をどうぞ。
ファッション初心者の方であってもオシャレを楽しめる内容になっています。