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2000年代ファッショントレンド総まとめ!ファストファッション、ZOZOTOWN、エディスリマンのスキニーパンツなど

こんにちは!まとめです。

当ブログで好評連載中の「年代別トレンド解説シリーズ」。

これまでに紹介した年代を簡単にまとめるとこんな感じ。

  • 1950年代:ファッションが動き出した時代
  • 1960年代:若者文化の台頭
  • 1970年代:モードの大衆化
  • 1980年代:オシャレのエネルギーが爆発
  • 1990年代:ストリートカルチャーの流行

第6回となる今回は「2000年代」にスポットを当てて、この時代に流行したファッションを紹介します。

ついに「2000年代」に突入!

2000年代のトレンドを一言でいうとすれば「ファストファッションの台頭」でしょう。

2008年のリーマンショックによる世界同時不況をきっかけに「安くて簡単にオシャレができる」といった需要が急増。

今ではおなじみの、

  • ユニクロ
  • GU
  • ZARA
  • GAP
  • H&M
  • FOREVER21
  • しまむら

などのブランドが大きく躍進しました。

同時に、ZOZOTOWNが登場したのもこの年代です。

アパレル業界の構図が大きく変わりました。

また2000年代は「ファッションの多様化」が進んだ時代でもあります。

海外モードがより身近な存在となり、国内のドメスティックブランドも続々と躍進。

人々のオシャレの選択肢が広がったことで、世の中のトレンドに左右されない「個性」を重んじるファッションフリークも増えていきました。

ファッション誌も、これまで番人向けだったものが、特定の層に刺さる「専門誌」へと変化。

このように、トレンドの複雑化がはじまったのが2000年代の特徴です。

これまでの連載記事でもお伝えしてきましたが、ファッションというものは、過去の歴史から学べることが沢山あります。

過去があって未来があるように、現代のオシャレや流行は、過去のトレンドがかたちを変えてリバイバルしたものだからです。

今回ご紹介する2000年代のトレンドも、思わず人に話したくなる面白いものばかり。

ぜひ楽しみながらオシャレの知識を身に付けていただけたら嬉しいです。

それでは、この時代の最大トピック「ファストファッション」から見ていきましょう!

ファストファッションブランドの台頭

ファストファッションブランドとは、最新の流行を取り入れながらも低価格な衣料品を販売するブランドのこと。

短いサイクルで世界的に大量生産することも特徴のひとつです。

「ファスト」という言葉は「早くて安い」というファストフードの特徴になぞらえて誕生しました。

先述のとおり、GU・ZARAなどがそれに当たります。

ちなみにユニクロ・無印良品などは厳密にはスローファッションになります。長期スパンでものづくりをしていますからね。

これらのファストファッションブランドは以前から存在はしていましたが、2008年に起きた「リーマンショック」を契機とする世界的な不況により、一気に需要が高まり、その存在が広く知られることとなりました。

安くて簡単にファッションを楽しみたいというニーズが急増したからです。

ファストファッションに対するイメージが変わりはじめたのもちょうどこの頃。

以前は「安かろう悪かろう」なイメージの方が強くて、ファストファッション=ダサい。と思われてしまうこともしばしば。

それがリーマンショックの2008年以降になると「お金を掛けなくてもオシャレはできる」という、今までになかった新しい価値観が生まれはじめたのです。

この価値観の変化は、高価なブランドを身に付けることがオシャレのステータスになっていたバブル時代が終焉し、不況の時代に突入したこととリンクしています。

ファッションというものは、社会的背景、ひいては人の価値観の変化と密接に結びついているんです。

海外ファストファッションブランドの日本到来時期と特徴をまとめてみました。

  • 1995年:アメリカ発のGAP
  • 1998年:スペイン発のZARA
  • 2008年:スウェーデン発のH&M
  • 2009年:アメリカ発のFOREVER21

GAPはアメリカ最大の衣料品店でベーシックなカジュアルウェアが中心。

ZARAはラテン系の女性らしい雰囲気が特徴。

H&Mはよりモード感が強く、デザイナーブランドとのコラボにも注力。

FOREVER21はロサンゼルス風のカジュアルを主流に、トレンドを幅広く拾いました。

同じファストファッションでも、それぞれに違った個性があります。

ZOZOTOWNの登場

皆さんご存知「ZOZOTOWN」が誕生したのもこの時代です。

今でこそ当たり前のように使われているネットショッピングですが、2000年に入った頃はまだ黎明期で、その魅力に気づいている人はごく僅かでした。

そんななか、それまで存在していなかったファッションに特化したネットのショッピングモールを作ったのが「前澤友作」氏です。

先見の明。

1998年、当時プロミュージシャンだった前澤氏が立ち上げたのは、CDやレコードの通販会社でした。

これが好調だったことを受け、1年半後にアパレルのネットショッピングサイト「EPROZE」を開設。

その4年後にあたる2004年に「ZOZOTOWN」を開設しました。

当初はアパレルショップが17店だけ出店していましたが、ここにセレクトショップ大手のユナイテッドアローズが出店してくれたことでビジネスが急拡大。

2012年には東証一部上場を果たし、時価総額1兆円を超える大企業にまで成長しました。

ちなみに上場翌年にはファッションコーディネートアプリ「WEAR」の運営をスタート。

現代においても、若者を中心に圧倒的な人気を誇るアプリとして不動の地位を築いています。

そんな前澤氏ですが、2019年にはヤフーとの資本業務提携でZOZOを退任。

退任後のZOZOTOWNはというと、コロナ禍においても業績は堅調で、洋服好きからの指示を一手に集め続けています。

賛否両論ありますが、ZOZOTOWNの出現によりアパレル業界の構図が大きく変わりました。

服好きの間で流行した「海外モード」

ここまでファストファッションとZOZOTOWNの話をしてきました。

共通するのは、不況の時代に突入したことで、人々の価値観が「安く簡単にオシャレを楽しみたい」に変化したことです。

そして、この価値観の変化の裏で起こったのが、ラグジュアリーブランドに対する魅力の低下です。

高価な服は、一部のお金持ちや服好きのためにある、ニッチな趣味へと凋落していくことになりました。

実はこれは、ファッション業界だけの話ではなくて、日本全体のお話。

不況に陥ったことで「消費の二極化現象」が起きたのです。

消費の二極化とは「節約するモノ」と「お金をかけるモノ」とをハッキリと使い分ける価値観の二極化のこと。

普段の生活必需品などは安くすませる一方、こだわりのある特定のモノに対しては高額でも購入するといった動きです。

分かりやすくいうと、基本は節約するけど、大事なものにはお金を掛ける。といった感じ。

例えば、普段の洋服はユニクロで買い、時計などの一点ものはブランド品を買う。といった具合ですね。

不況になると消費の二極化が起きやすい傾向にあります。

実はこの二極化現象、現代も発生しはじめていることにお気付きですか?

コロナ禍に入ったことで、じわじわと消費が二極化しているんです。

このブログをお読みいただいている人のなかにも、普段はユニクロですませるけど、時計・鞄・靴・コートなどの一点モノにはお金をかけたい。という人も少なくないはず。

これは根底に節約志向があることで「上質なものを長く使う」というマインドが生まれるからなんです。

前置きはここまで。

すみません、前置きが長くなりました。笑

「海外モードの流行」に話を戻しましょう。

先に説明した消費の二極化現象により、海外モードは「一部の服好き」だけに支持される存在となりました。

ただし彼らは「良いものにはお金を掛けたい」というマインド。

そのため、服好きの間では海外モードの人気は堅調で、むしろ一つのムーブメントになるほどでした。

もちろんそれは、2000年代に入り世界の垣根がなくなってきたことで、海外モードがこれまで以上に身近な存在になったのも追い風になっているでしょう。

ユナイテッドアローズなどのセレクトショップがモード系ブランドを取り扱うようになったり、モード系ファッション誌の「FIGARO」「SPUR」「GINZA」などが登場したことも、海外モードが普及した要因の一つになっています。

洋服好きが海外モードを求めるのは、今の時代も変わらないですね。

エディスリマンから始まった「タイトシルエット」

モードの革命児「エディ・スリマン」

2000年代に流行した海外モードのなかでも、とくに世界のファッションシーンを賑わせたのは、天才デザイナー「エディ・スリマン」です。

当時の彼は、人気ラグジュアリーブランド「クリスチャンディオール」のメンズラインである「ディオールオム」のクリエイティブディレクターを務めていました。

ディオールオムの初コレクション
出典:GQ

そのディオールオムの初となるコレクションに、世界に衝撃が走ります。

それは、彼が発表した「超タイトなシルエット」というファッションスタイル。

当時はストリート、ヒップホップ、アメカジなどのゆったりとしたファッションがトレンドで、太めのパンツがモードのなかでも主流でした。

一方、エディが提案したのは、モノトーンを基調としたシャープなシルエット、鋭いカッティングで非常にタイトなテーラードスーツといった、当時では考えられないような作品の数々。

一晩で世界のトレンドを一気に塗り替えてしまったのです。

そのなかでも、とくに話題を呼んだのはデニムで、「スキニーパンツ」を世に送り出したのはエディとも言われるほど。

これにより、海外モードのトレンドがタイトシルエット一色に染まります。

彼が提案したスキニーパンツや、タイトなジャケット、ナロータイがモードの覇権を握るようになったのです。

細身のトレンドは、2000年代を象徴する超ビッグトレンドです。

「ちょいワルおやじ」ブーム

ブームを牽引した雑誌「LEON」と「ジローラモ」

ちょいワルおやじとは、2001年創刊の男性ファッション誌「LEON(レオン)」が提唱した、不良がかった中年男性(おやじ)のファッション。

ちょい悪親父、チョイ不良おやじ(ふりょうでワルと読む)とも表記されたりします。

イタリアのオシャレな中年男性を手本としたコンサバファッションがベースになっていて、異性から支持されることを意識したファッションであることが特徴です。

このブームを牽引したのは、LEONのモデルを務めたイタリア生まれの外国人タレント「パンツェッタ・ジローラモ」でしょう。

イタリア人らしい彼のセクシーだけどユーモラスなキャラクターとともに、ちょいワルおやじは日本の中年男性に広く支持されることになりました。

フランスの30代以上向け男性ファッション雑誌「Monsieur」の 2007年号では「21世紀のダンディは日本人」という特集が組まれ、日本のファッションブランド・時計・日本製アクセサリーを紹介しつつ、その中でちょいわるおやじ(Choiwaru Oyaji)を大きく扱っていたりもします。

また、このブームをきっかけに「ちょいワル○○」といった派生語がいくつか生まれました。

ちょいワルマタニティ、ちょいワルゴルフなんてのも存在します。

「ちょいわるおやじ」が年齢を重ねると「やんちゃジジイ」と呼ばれたりしていました。

モテ系&大人かわいいブーム

CanCam(2006年5月号)

2000年代は女性誌がファッションカルチャーを作っていました。

『CanCam』が発信したのは「モテ系」「モテ服」「お姉系」なんて呼ばれるコンサバスタイル。

コンサバとは「コンサバティブ」の略語で、保守的・無難という意味を持ちます。

カジュアルファッションの対義語的に使われ、落ち着いたお嬢様ファッションのことを指します。

当時並行して流行していたギャル系ファッションよりも、少し年上の世代が好んだファッション。

左から、蛯原友里、山田優、押切もえ。

そんなモテ系ファッションを牽引したのは、CanCamの二大専属モデル「蛯原友里」「押切もえ」です。

とくに蛯原友里はカリスマモデルとして絶大な人気で「エビちゃん」の愛称で親しまれました。

エビちゃんが洋服を紹介すると、どれも何万着も売れてしまうほどの大ヒット。

“エビ売れ” という言葉まで生まれ、その経済効果は社会現象になるほどでした。

その後続として「山田優」という専属モデルも登場しましたね。

  • エビちゃん:甘くてかわいい系
  • もえちゃん:少し辛めのカジュアル系
  • 優ちゃん:シャープ目の大人系

こんな感じで、それぞれが異なる切り口で「モテ系ファッション」をリードしました。

当時の女性たちの憧れの的。

ちなみに女性誌は以下の2つに分類されていました。

赤文字系雑誌

モテ系をはじめとするコンサバティブなファッションを取り扱った女性誌のこと。

代表的な雑誌は、CanCam(キャンキャン)、JJ(ジェイジェイ)、ViVi(ヴィヴィ)、Ray(レイ)など。

これらの雑誌タイトルの色に赤やピンクが多かったことから、赤文字系という名前がつきました。

青文字系雑誌

原宿でよく見かけるような個性的なファッションを取り扱った女性誌のこと。

赤文字系が男性ウケを意識したファッションであるのに対し、青文字系は個性的で男性にこびないファッションというように区別されていました。

代表的な雑誌は、Zipper、SPRING、sweet、mini、steady、 InRed、Figue、KERA、SEDAなどなど。

赤文字系の対義語として、青文字系という名前がつけられました。

こんな感じで、ファッション誌がターゲットに合わせて専門誌化していきました。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

いかがでしたか?

今回は、2000年代のファッショントレンドを、時代のトピックとともに振り返ってきました。

最大のトレンドは、ファストファッションの台頭。

ユニクロをはじめとする、安価にオシャレができるブランドやアイテムのニーズが爆発した時代でした。

同時に、ファッションの多様化が加速。

さまざまなトレンドが生まれましたが、なかでもスキニーパンツに代表される「タイトシルエット」は記憶に新しいトレンドですね。

冒頭でもお話ししたとおり、現代のトレンドは、かつてのトレンドが形を変えてリバイバルしたものです。

またいつの日か、2000年代のトレンドもリバイバルするでしょう。

長らく続くビッグシルエットのトレンドも、いずれはタイトシルエットへ揺り戻しがあるかもしれません。

また、僕のブログでは『2022年の最新トレンド』をまとめた記事も執筆しています。

オシャレ好きなら必ず知っておくべき、見逃し厳禁の内容になっているので、ぜひぜひご覧ください!

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